風水五訣(ごけつ)
風水を構成する重要な要素
風水を構成する重要な要素に、五訣(龍、穴、砂、水、向)があります。
古来中国では、先祖を大切にし、天を大事にする敬天思想があります。先祖の魂魄が大地の「気」を通じて、後孫に影響するという思想から、墓を良い場所に置くという陰宅と別に、天の「気」と地の「気」が人と感応して影響を受けあうという天人合一の思想から、陽宅が生まれ、国が存在するためには、国を治める政治、人民としての国民を治める場としての国土という環境を整える地理が陰陽五行の天敬思想と合わさることで、風水という環境学が育ってきまいた。その中で、清の時代(1636~1912)、趙九峰が地理五訣が風水の中でも重要であると結論づけています。
五訣、龍(りゅう)龍脈、龍管貴賤(りゅうかんきせん)
龍脈のことを言います。大地の中を流れる気脈は、山の形としてあらわれ、山脈の尾根を見て龍のようにうごめくようであるというので、その姿を見て、龍としました。
龍は貴賤を司ると言われています。
力強い「気」を持つ山を見て、「貴龍」が住む場所は、強くしっかりとした形をしています。空から見ると、指を広げた手形が押されたような形を表したらよいでしょうか、このように強い「気」が感じられる場所に生きると貴人が生まれます。
貧弱な「気」を持つ「賤龍」の山間に住めば、「あやしのしづ、やまがつのしわざも」と徒然草(つれづれぐさ)にでてくるような賤人にもなりかねないのです。
龍管貴賤(りゅうかんきせん)を司るとはまさに、龍脈の良し悪しは、人の人生をも変えてしまうらしい。
それは、「貴龍」「賤龍」の土地を見分けて、「貴龍」の地に住めば、「貴」の名が付き、「賤龍」の地にすめば「賤」の名がつくというわけです。
陰宅風水でいえば、「貴龍」の地を選び、埋葬すれば、子、孫が栄える場所と言えます。
郭璞 葬書より
地势原脉,山势原骨,
委蛇东西,或为南北。
千足为势,百尺为形。
地勢の原脈、あるいは山勢のもとの骨組みは、
東西、南北に蛇行する。
千尺(しゃく)の範囲を勢といい、
百尺(しゃく)の範囲を形という。
五訣、穴(けつ)穴菅吉凶(けつかんきっきょう)
龍穴(りゅうけつ)とも言います。山脈の尾根が下り、「気」が集まる場所を言います。
穴は、人間でいえばツボのような存在です。
ツボの中でも原穴と言える場所で、ツボを押さえたりなでたり、刺激することで、元気になれるのがツボですが、地中をめぐってきた、「気」があふれ出している場所ともいえます。
「気」がよく集まる場所を龍穴(りゅうけつ)といい、穴菅吉凶(けつかんきっきょう)において、吉穴に触れれば、人に降りかかる災難を無毒化してくれる場所ですが、凶穴に当たれば、災難が降りかかります。まさにパワースポットと言えます。穴は吉凶があらわれるためには、その穴を受ける人が、どれほど良い人間であるかによって大きく変わります。要は、「貴龍」の気を受けるに値するかどうかもかかってきます。
それは、天人合一 天人感応と言って、天は、良き人間によきものを当てえるが、悪しきものには、反応できません。それは、ラジオと同じで、周波数があわなければ、ラジオとしての機能が使われないことと同じであると言えます。
格局を観れば、巒頭を知ることができると言えます。
私たちが見る山の姿で、勇ましい山だとか、優しい山と感じる感応することをそのまま受け入れることは、あながち間違っていません。ですので、たくさんの山を観ながら、貴龍を探してみましょう。ただ、問題なのは、龍脈が貴龍だとして、穴が、吉穴であっても、人が善でなければ、パワースポットに来ても何も感じません。
貴龍、吉穴の恩恵は皆無であると言えるので、吉穴を探し出してきたものは、自らも良心を良くしてきた者たちが見つけてきました。
そうであるために、貴であるために、吉でなくてはならず、正道を行かなければなりません。
天道勸善懲惡,凡人為善得福,為惡則得禍。
☆ 天は善を罰するように忠告し、人間は善のために福を受け取り、悪は不幸を得る。
五訣、砂(さ)砂菅寿夭(さかんじゅよう)
砂は、龍穴(りゅうけつ)を守るように囲んだ周辺の山や丘、建物のことを言います。龍穴を守るように囲んでいて、青龍砂、白虎砂があります。私たちの住む町の中での砂は、周囲の建物や、丘を指して言います。龍脈から流れてきた「気」が穴よりでてお盆のように周りを囲んだ砂を受け、砂菅寿夭(さかんじゅよう)のように穴の周囲の環境が良いと、健康や天寿について良い作用を受けるものです。
陽宅家宅や、陰宅墓に適度に良い山や丘、建物のことを「寿砂」と言います。また逆に陽宅家宅や、陰宅墓にあわない山や丘、建物のことを「夭砂」と言います。
良い砂の状態は、空気が澄んでいて気持ちよく、雨が降っても、地面が崩れることなく良く吸収し泥沼になることもなく、日が良く照ったとき砂が乾き砂塵が吹くことがありません。適度に湿り、つやのある状態であり、においも心地よいと感じます。
逆に、悪い砂では、焦げたにおいや、獣臭さが漂い、じめじめとして、不快に感じることが多く、街中で、目で見て不快であると感じればそこは、「夭砂」と言えます。
たとえ、貴脈、吉(的)穴であっても周りの砂が「夭砂」であれば、短命に終わったり、良い気を受けれない結果を生みます。私たちの生活の中で周囲を観て、「夭砂」があれば近づかない。きれいにするを心がけましょう。
郭璞 葬書より、
龙虎抱卫,主客相迎。 几真龙落处,左回右抱,前朝后拥,所以成其形局也。未有吉穴而无吉。
案:若龙虎抱卫而主客不相应,则为花假无疑。 四势朝明,五害不亲。
龍が虎を抱いてお互いを迎え、あいさつをし、左まわりに抱いて前後を守る形はよい形
龍と虎が合わず挨拶もしない形はよくない形であり、四つの勢(せい)は五害を受けてしまう
砂の種類
平砂: 地面より少し高い平らな場所
中砂: 地面が高くなっている場所 丘
高砂: 山、ビル 高い建物
凶砂: 赤龍 病龍がさ砂の場合。煙突、鉄塔 変電所
秀砂:: 石塔 宝塔 石製オブジェ 机
先天八卦と砂
先天八卦において、
陽性部は、乾、震、坎、艮 → 砂
陰性部は、坤、巽、離、兌 → 水
陽性は砂、陰性は水を表します。
そのため、西北、西、南、東北に水があれば吉 砂があれば凶となります。
北 東 東南 西南に砂があれば吉 水があれば凶となります。
察砂四法
砂は、龍穴(りゅうけつ)を守るように囲んだ周辺の山や丘、建物のことを言います。
このことを踏まえていうなら。龍穴に集まる気をため込むためには四方位が守られた形になっています。この砂は四つに分かれていて、待砂、衛砂、迎砂、朝砂と言います。
それぞれの砂は、役割と分担がありますが、目的は同じで、龍穴に集まる気を収め主山を守ることであると言えます。
五訣、水(すい)水管富貧(すいかんふひん)
水は、龍穴の前や、周りを囲むように流れる川、湖、沼、または、道路も水として判断します。龍穴と砂との間に流れる川、湖、沼、道路が重要と考えます。
水は気が収まる存在でもあるので、良い気をため込んだり運んだりします。
私たちの体も70%水でできているので、水の容器と言えます。そのため、天の気、地の気をため込む存在であるため、「気」に感応します。
水の特性は、そのまま水管富貧(すいかんふひん)というように、貧富に影響を与えます。穴の周囲を囲む水を「抱水」(ほうすい)といい、「抱水」を受けている場所に住むと、安定した収入と、必要以上の出費をしなくなるので、豊かになるしかないのです。逆に「背水」は穴に背をむけた位置にある水であるために、「背水」の影響を受ける立場や、位置にいると、貧困から抜け出せません。水の位置は重要であると言えます。
水の種類
陽水: 大川 川 河
陰水: 井戸水 地下水 浴槽の水(残り湯)水槽 循環しない水
汚水: 地下道汚水 トイレ
死水: 池や沼のよどんでたまった水
五訣、向(こう)向管成敗(こうかんせいばい)
立向(りっこう)と言います。建物や墓石の玄関方位が向く方向を立向、反対部分を坐向(ざこう)といい、立向の方位により、吉凶を観ます。
立向は、門の向く方位、家屋の向く方位、墓石の表が向く方位により測定します。昼は、太陽、夜は北斗星を見て判断したり、風水羅盤によって測ります。向管成敗(こうかんせいばい)は、建物や墓碑の背中部分(坐山)から見て、立向を観て、住む人、祀る人の運と感応しているので、「向」がよければ成功し、悪ければ失敗するという成果が出やいのです。
なぜなら、「向」の中には、(龍、穴、砂、水、)貴賤、吉凶、寿夭、富貧の事柄を司る要素があるためです。(龍、穴、砂、水、)とのつながりにより大きく化けるのも「向」と言えます。
巒頭(龍、穴、砂、水、)
龍脈、龍穴、青龍山、包水、といわれる(龍、穴、砂、水、)は目で見て確認できる、探し出せる可視できる存在です。であるために、見てなれることで、わかる形状と言えます。人を見て、男性、女性、大人、子供、など形状はわかります。(龍、穴、砂、水、)においても、こういうものが龍脈だ、龍穴だと分かれば、こういうものかと知ることができます。
理気(向)
向において、門構え、墓石の形は見えても、ではその門や墓石に与える影響はというと、方位に付属する干支、易卦を組み合わせ、生気、旺気という良い気を導き出す経験が必要になります。人を見るだけで、その人がどのような存在で、何を考えているのかという心のと似ています。理気は、方位、易卦、時間というものがかかわっているので、そういった知識を得るばかりでなく、陰陽五行の絶対的法則性、原理性、原則性を理解しなければならないところがあります。
地理風水の定義
青龍砂は連山。朱雀砂は案山となる低い山や河、池 白虎砂は山脈 玄武砂は
祖山からつながる主山となる高い山が良いとされていて、東西北は山で囲まれていて、南に低い山や丘、川や池があるといいと言えます。
地理風水(ちりふうすい)とは、住んでいる場所や建物が、周りの自然と調和するための考え方や知恵です。たとえば、家をどこに建てればいいか、建物がどの向きだと良い運気(うんき)をもらえるか、などを考えるのが地理風水です。この考えは、中国の昔から続くもので、人々が自然と上手に暮らすために使われてきました。
地理風水と「気」
風水では「気(き)」と呼ばれるエネルギーが大切です。この「気」は、自然や私たちの体の中に流れているエネルギーで、場所によって強くなったり弱くなったりします。風水の考えでは、気がスムーズに流れている場所や、気がたくさん集まる場所に家や町を作ると、そこに住む人たちが元気で幸せになると言われています。
自然とのつながりを考えよう
地理風水では、山や川、木や石などの自然がとても重要です。例えば、山は強いエネルギーを出すとされ、その山の近くに住むと元気をもらえると考えられます。川も大切で、水が流れることで気も一緒に動き、人に良い影響を与えると言われています。
風水には「龍脈(りゅうみゃく)」という言葉もあります。龍脈とは、山や川のラインが大地の中を流れる龍のような形で気を運ぶ場所のことです。この龍脈があると、その場所にいる人たちに良いエネルギーが届くと信じられています。
風水のポイント:家や町をどう作るか
風水を使って家や町を建てるとき、いくつかのポイントがあります。
- 方位(ほうい):建物の向きや窓の位置などを工夫して、太陽の光や風が心地よく入るようにします。たとえば、家の入り口が「南」や「東」を向くと明るくなり、元気な気が入りやすくなると言われています。
- 山水(さんすい):家の後ろに山があると安心できると言われています。山は守ってくれる存在とされ、エネルギーが安定すると考えられています。また、家の前に川や池があると、そこから気が流れてくるので良い場所とされます。
- 明堂(めいどう):明堂とは、建物や家の前に広がる空間のことです。この場所が広くて明るいと、気がたくさん集まり、良い運が訪れると考えられています。
日本にもある風水の考え方
地理風水は、もともと中国で生まれた考え方ですが、日本でも江戸時代ごろに取り入れられました。たとえば、お城(しろ)を建てるとき、風水を使って「どこに城を建てれば人々が安心して暮らせるか」「水の流れや山の位置をどう使えば守りやすくなるか」などを考えました。また、お寺や神社を建てるときも、風水の考えを参考にしました。
風水と日々の生活
風水は「どうすれば毎日を心地よく過ごせるか」を考えるための知恵です。たとえば、風水では、部屋の窓を開けて新しい風を入れることで良い気が流れるとされます。また、机や家具の位置も少し変えるだけで、気の流れがスムーズになると考えられます。こういった工夫をすることで、毎日が元気で楽しい気持ちで過ごせるようになると言われています。
地理風水は、自然と上手に付き合うための知恵です。山や川、太陽や風など、周りの自然と仲良くすることで、元気で幸せな生活ができると考えられています。自然と調和して生きることが、昔から大切にされてきた風水の考え方です。