陰陽五行の中庸を得る
東洋医学において病邪を取り除き、病邪を消し、調和を得ることは、中庸を得ることといえます。
例えば体が冷えているとき、鹿の角を煎じて飲むことで、体の陰邪を出すことに使います。 鹿の角は赤く、毛が生えているので、シカの角は、陽気が強いと言われています。強い陽気を取り込むことで、陰陽のバランスを得るようになっています。
逆に体に熱がこもっている場合、サイのツノを煎じて飲みました。南方に住むサイのツノは黒く 触ると冷たくひんやりとします。 それは、サイの体の熱を放出する役割を持っているためで、漢方では、体が熱く陽の気が強い場合 煎じて飲ませたり、すりつぶし粉末を飲むことで解熱解毒に使われています。つまり、南方に住むサイの角は陰気が強いとされます。
このように、中華思想の陰陽五行において 陰陽のバランスが取れれば、運も健康も上げることができます。
陰邪には正陽を持って中庸とする。
漢方の書物に黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)があり、この書物は、前漢、後漢の時代に編纂(へんさん)されています。この中庸医学書とも言える書物の中に、
陰は内にあり、陽の守り也、陽は外にあり、陰の使い也
これを、風水に当てはめてみると、
三局図に合わせると、山は陰、水を陽、座を陰、向を陽、明堂を陰 建物を陽となります。
陽宅三要(ようたくさんよう)において、玄関 台所、寝室 など形のあるものを陰、風通し、水はけ、日当たりなど、形がなく流れる(エネルギー)を陽。
このように、家の周囲においても陰陽のバランス、家屋においても陰陽のバランスををみるわけです。
さて、話を黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)に戻しますが、人の体においても、陰陽のバランスを見ることで、健康と運が発生します。私達の体は、自然にスイッチが切り替わり、交感神経、副交感神経がバランスよく動くことで、健康を維持していますが、このバランスが崩れることで病に侵されます。
家もまた、こういった、陰陽バランスを見ることで、健康な住処になるといえます。
では、家の健康を得るためにはどうすべきか、 家が寒々しい、殺風景 散らかっている場合。気がとどまった状態ですので、陰邪がこもった状態ですので、このような家には、正陽で対処することになります。
正陽で対処する 負陰で対処する。
陰陽五気の中庸を得ることで、人は健康になることを古代中華思想では行っています。太極が分離し陰気、陽気に分かれ 四象に変化し 八卦を生むとき、それぞれに木火土金水の五気の影響をうけて育ってきました。
陰気が多い場合は正陽で補い、陽気が多い場合、負陰で補うことで人は健康になります。これは、被造万物全てに同じ事がいえます。故に 私達の住む家もこのように、不足する 正陽、負陰を補うことで、住みよい家にすることができます。 幽霊の出るような家は、陰気が強く、寒々とします。逆に、座敷童子が遊ぶ家は、暖かく、朗らかであり整理された場所に多く出ます。
場所により 正陽を補い、負陰を補うことで中庸に持っていくことで 永く住みやすい家となります。
陰陽五行の気
私たちの生活する空間は 思っているより小さく、日々会社と家の往復で終わっていますが、こういった普通の生活ができるのも、極端な変化がない限り、毎日が過ぎていきます。
こういった生活の中で陰陽五行を考えることは,まずありません。
と言っても、私が生きるこの地球は、きっちりと寸分たがわない法則の中で回っているので安心して生活できていることも事実です。
周りに空気があり、水があり、生命の連続が続いています。確かに、長い年月人々は、互いの権利、権力を主張し戦(いくさ)をつづけてきました。
もし、一瞬で私たちの周りの空気がぬけてなくなれば、人は一瞬で消滅します。もし、私たちが飲む水が毒水となれば、苦しみながら飲む水もなく人は消滅します。
また、時間や空間認識も法則が備わっているので、誰でも認識できます。日本人同士、日本語を知っているので通じることができますが、互いの言語や文法の違う言葉で話し合っても通じる話は少なくなるように共通した認識はとても必要となります。
ゆえに、古代より、自然環境の状況を共通認識として編み出されたのが、暦であったり尺、そして陰陽五行という法則にのっとって、人間社会を見てきました。
しかし、問題となるものは、その中心的存在である気を知るために何年、何百年、何千年と研究してきました。
陰陽五行が見つけ出した法則
陰陽五行が見つけ出した法則は、陰性が多すぎれば 陰に傾き、陽性が多ければ陽に傾くので自然界は傾きを調整したえず中庸に存在しようと法則が働きます。私達の近代史の中で悲しい戦争が起こり、多くの若者が戦いの中で戦死し極端に 男性が減りましたが、七〇年の歳月はどのように作用したでしょう、 ベビーブームを通して人口は増加し、戦争で減った男性が増加し世界の人口比率は 大体平均して男女比が均等化します。
生まれる子供を計算し、減らしたり増やしたりということをしているわけでもないのに、バランスよく生まれてくるのはなぜでしょう それは、陰陽バランスを整えようとする宇宙に法則があるのだろうということを単純に思ったほうがいいのではないでしょうか。
パワースポットの役割
パワースポット巡りをするときに、あたしたちは、奪うことを考えます。自然界は無償に与えようと働きかけるので、素直に無償に受けるのも良いのですが、日々の生活の中で、自然に無償で受けることが当たり前になっていていいのかと考えてみてください。
ゴミを捨てれば誰かが片付けなければ、時間がたってもゴミは残りますが、片付ける人がだれになるか考えてみたときに、毎日、環境を整えることを自然に行なっていると。自然界はもっとこの人にたくさんの福をあげようとします。より大きなもののために犠牲になることで自然界は循環します。そういった法則を知ってみると、より奉仕する人に良き福がめぐります。
パワースポットに行って、良い気をいただくためにも日々良い心を持って生活しましょう。