雷天大壮(らいてんたいそう)
六四卦の三十四番目に位置するのが、雷天大壮(らいてんたいそう)。乾卦☰(けんけ)の上に震卦☳(しんけ)が乗っかっている形になります。
上卦は震卦☳(しんけ)です。震卦は陽爻1段の上に陰爻が2段乗った形で、家族においては、長男をあらわします。八卦においては雷を表しています。
下卦の乾卦☰(けんけ)です。乾卦は陽中の陽を表し、家族の中では父を表し、八卦においては、天を表します。
下卦の乾卦☰(けんけ)は陽爻が3本そろった陽中の陽を表し、非常に強い陽性であり、その上に、上卦は震卦☳(しんけ)が重なっていきますので、地中から天に向かって強い陽性が立ち上っています。下から上がる陽気が、陰気を押し上げる、非常に強い運気を示す卦です。
何をやってもうまく行く大きな勢力をあらわしているのですが、天の気と雷鳴轟く震の気が重なっているのですが、、鳴いても雷鳴が轟くだけで、雨が降らない状態とも言えます。
それは、剛気という強い気の集合体であるために、イケイケGoGoといった自らの姿を今一度振り返る必要もあります。そういった自らを見つめる時間を取ればより、一層「大壮」にそった運気を勝ち取ることができます。
大壮とは
大壮とは、おおいなる陽気嵩感に動いていることを示しています。剛気としての乾卦☰(けんけ)が土台となり、壮(さか)んに活動する形です。賢者樽の野の心は正しくあってこそ世の中を平定することができます。心正しくないのに 賢者のごとくに振る舞えば、国が滅びます。正しい心を持って行うことで、初めて順調に物事は発展します。
発展の法則は、目的を持って、心が正しくからだに伝達された時、生存します、また、正しい男女が交われば、繁殖し、物事が良い方向へと向かうのです。発展の法則は、その心の動機に大きく作用されるため、易経に置いても、十翼を書した孔子においても、心の純粋さを解いています。
天道勸善懲惡,凡人為善得福,為惡則得禍。
☆ 天は善を罰するように忠告し、人間は善のために福を受け取り、悪は不幸を得る。
悪いことをすれば 罰せられ、いいことをすれば、福を受けるということです。
故に、大壮の卦が出たときほど、自らを見つめるよい機会であると捉えれば、より一層の発展が約束されます。
雷天大壮(らいてんたいそう)のイメージ
大壮。利貞。
「大壮」の時、貞正であれば良い
「大壮」は勢いのあるエネルギー
天に雷がとどろくさまは、壮大で、暗闇を明るく照らす勢いを持っています。天地に響くような勢いは、運気の上昇を明確に表すしるしです。
我欲我身に自分の欲におぼれがちですげ、心を善に保つときこの卦は現れます。自己過信に陥ることなく進めば大きな仕事をやり遂げることができる。
雷天大壮(らいてんたいそう)の六爻
雷天大壮(らいてんたいそう)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陽、二陽、三陽、四陽、五陰、上陰と並んだ状態を、雷天大壮(らいてんたいそう)といいます。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陰 雄羊(おひつじ)が、垣根に引っかかり、退くことも、進むこともできない。どのようにしたら良いのかさえわからない。 何をおこなってもうまく行かない。苦心努力して吉 咎めも長くは続かない。
五陰 垣根が破れて、羊が逃げる。しかし、無理に止めようとするな。悔いはない。
四陽 初心を貫(つら)けば吉 悔いなく進める 垣根も破れて苦しみから開放される。守り固く進めば、盛大に進んでも良い。
三陽 小人(しょうじん)は壮(さか)んに゙勢いに任せて、突き進む。君子は、思案し正道を守っていてさえ危うい、牡羊(おひつじ)が垣根に向かって、角を立てて頭から突き進むようなことはするな、垣根に角が引っかかり苦しむだけだ
二陽 初心を貫いて 吉
初陽 足に任せて軽率に突き進む、せっかくの誠意も実らない 凶
64卦
周易 上経 30卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |