山沢損(さんたくそん)
六四卦の四一番目に位置するのが、山沢損(さんたくそん)です。兌卦☱(だけ)の上に艮卦☶(ごんけ)が乗っかっている形になります
上卦は艮卦☶(ごんけ)です。艮卦は陰爻2段の上に陽爻が乗った形で、家族においては末っ子 三男をあらわします。八卦においては山を表しています。
下卦は、兌卦☱(だけ)です。兌卦(だけ)は陽爻を下に陰爻を上に据えた卦で、家族においては 末娘 三女を表して八卦においては、沢を表します。
末息子と、末娘はs,幼いながらも家族の一員としての役割を果たしています。この小さい子どもたちは、大人から見れば、経済を生み出さない厄介者と言えますが、すべてが奉仕であり、投資をする時期と言えます。
この山沢損(さんたくそん)のけは、単なる損害と言うよりは、奉仕することの意味が強く出ます。自分の能力を歳て、相手に投入する。小さな子供を活かすためには、愛の投入、自己犠牲を共有されます。母が、子供に乳を与える時、自分の体の血液を変化させて、母乳を生み出し与えるように
、変化して、与える、損をしているように見えて、幼い子供が育つ喜びを感じて生きる時、父は、幼い子供の笑顔が活力に鳴り、一人でいるときより、多くの力を与えられます。単純に、損をしているとは言えないのです。愛する者のために、自らを犠牲にする、目先の利益より、未来を作る糧を与えられている機関です。損とは、下を減らして、上を増やすことです。
また、艮卦☶(ごんけ)は山を表して、兌卦☱(だけ)は沢を表します。山の下に沢が流れる様子を示しています。これは、損の卦象です。君子は、この、卦像に、高い野望のために、自らの欲望を低く保つ事に努めました。
損とは、
損とは、「減る」「減少」「損害」などの意味を持っていますが、すべてがマイナスというわけではありません。例えば、体重が減るとなれば、ダイエットに成功したと言えますし、食べ物がなくて、体重が減るとなれば、生活苦となリますし、借金が減る、苦労が減るとなれば、幸福度が増していることになります。商売においても、損して得を得る、といった受け取り方により、プラスに成ることもあります。イケイケだけでは、パワーが枯渇します。駆け引きは必要ですが、全体の発展と個人の発展においてバランスを欠くことがないように、物事を楽しむ心持ちを持って行いましょう。
易経より、
孚(まこと)あれば、元吉(げんきつ)にして咎(とがめIなし、貞(ただ)しくすべし。往(ゆ)くところあるに利(よ)ろし
山沢損(さんたくそん)のイメージ
損。有孚。元吉。无咎。可貞。利有攸往。
「損」の時、大いに吉。天意に従え。貞正にして進んで良い。
「損」は減る、減らす。損害
欲丸出しで周りに何かが無いと不安で仕方がないというよりは、断捨離してすっきりさせることが吉に動く場合もある。まずは、身の回りの整理をして、減らすことで、心にある荷を減らせます。環境は、心の表れとして具現化します。善を行い貞正をよしとすれば、大いに基地に向かいます。
山沢損(さんたくそん)の六爻
山沢損(さんたくそん)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陽、四陽、五陽、上陰と並んだ状態を、山沢損(さんたくそん)といいます。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陰 無理せず、人を助けることができる。咎めは無い。それを、一貫して、ゆけば、吉 進んで行えば良い。大いに人望を集め、家を忘れて、社会に尽くす。
五陽 過去の努力が、報われる。どんな鋭敏な亀甲(きっこう)で占っても、凶は出ない。間違いなく、大吉である。点が、この人を助ける。
四陽 速やかに、病巣を取り除けば、全快の喜びを得られる。咎められない。
三陽 三人でいけば、互いに腹のさぐりあいに成るが、一人でいけば、協力者が現れる。
二陰 わが道を守るのが、良い、みだりに、飛び出しては、ならない。無理をしてはいけない、
初陰 自分の仕事を投げ出しても、相手のために奉仕するならば、他人と、一つになれる。咎めはない。正し、よく状況を見極めなければならない。
64卦
周易 上経 30卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |