風地観(ふうちかん)
六四卦二十番目に位置するのが、風地観(ふうちかん)。に母である☷坤卦(ごんけ)の上に長女である☴巽卦が乗っかっている形になります。
坤卦(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族においては母親であり、八卦においては地を表しています。
上卦は、巽卦☴(そんけ)です。巽卦は、陰爻の上に陽爻が2段乗った形です。家族の中では、長女を表し、八卦においては風を表しています。
下卦は、坤卦☷(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族においては母親であり、八卦においては地を表しています。
観(かん)とは、
坤卦(こんけ)は大草原であり、生命を生み出す畑となり、生命の種を蒔かれれば、育てる土壌となる母なる大地です、その母なる大地の上をゆるやかに流れる風が、巽卦(そんけ)です。長女としての巽卦(そんけ)は、隙間なくどこ絵でも回り込み、みえないとこがないほどに風の性格を持ち、舞います。母の愛と、熟された女性としての長女の愛は、細やかで繊細でありながら、優しく物事を見つめ、よく熟成された思考を持っています。その愛は、見落とすとすことがなく、絶えず気を配っています、全ての事柄を観察しています。
(観)は、よく観ることであり、観察することでもありますが、ただ単に外界を見つめることだけでなく、その物事に対しての成り立ちや、内面といった内容も含まれています。人の心のうちにある、良心は、絶えず人を正しい方向に引っ張っていきます。その純粋な心をも観察して、どのように進むかを決めることを、観(かん)は表しています。小さな家庭のうちでなら良いとされたものが、地域、町、社会、国となると、国を守るリーダーの品性が現れます。君主がただし苦なければならないために、物事の本質を見ることが必要であることを、観(かん)は訴えています。
これは、天下を収めた聖王と言われた良心的な王の心を見抜いた言葉として、下の言葉が挙げられます。
古代中華の王、堯王(ぎょうおう)の 允恭克譲(いんきょうこくじょう)心から慎み、謙虚な態度を維持する
湯王(とうおう)の不敢怠遑(ふかんたいこう)常に怠(おこ)足らぬ、
文王の祗畏(しい)ひたすらに畏敬の念を思い慎む
表面だけではなく、内面をよく見ることを観(かん)は訴えています、
風地観(ふうちかん)のイメージ
観。盥而不薦。有孚顒若。
「観」の時、不浄をやめ、身を清め、。誠が満ちていて、すべてのことが厳粛に行われる。
「観」は、観察、物を見つめること
近くに 衰運や変動の兆しがあります。良くものを見るとは、環境だけでなく、内なる心,良心に尋ねる時間を持ち、内面を探ることです。熟考するとは、掘り下げて内面を見つめることです。周りで起こる問題は、自分の心が引っかかっ意識が向くことで起こります。心のメンタルシグナルは、気づきとしてあらわれます。不浄をやめ、身を清めましょう。
風地観(ふうちかん)の六爻
風地観(ふうちかん)の六爻は下から、順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陰、四陰、五陽、上陽と並んだ状態を、風地観(ふうちかん)と言います。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陽 民生を観る。ことを見て、満足して、気を緩めてはならない。君子の道に叶っていれば、咎められない。
五陽 民度は、国の品性である、国のリーダーは、国民を見て」我が身を振り枯れ、君子の道に叶っていれば、咎められない。
四陰 国の栄光を見る。それをさらに進展させることを願えば、国の賓客(賓客)として、優遇。されるだろう、
三陰 我が身の日々の行いを顧みて、身体を決める必要がある。さすれば、道を失わず、に住む。
二陰 視野の狭い御方、家庭を守る婦女子においては良いが、社会、国を守るものとしては恥ずべきものである。
初陰 幼稚な思考、御方、幼い者なら咎めないが、分別ができるものにとっては災い
64卦
周易 上経 30卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |