中華五術

陰陽五行思想の原理と八卦の世界観

陰陽思想とは – 物事の本質を捉える

陰陽思想は、古代中国で発展してきた思想体系であり、東洋哲学の根幹をなすものです。この思想では、宇宙の万物が陰と陽の二つの気によって成り立っているとされます。

陰と陽は相反するものですが、相互に存在を認め合いながら、絶えず変化し合っています。たとえば、陽が強まれば陰が弱まり、陰が強まれば陽が弱まる、といったように、この二つの気は調和を保ちながら循環しています。

この調和こそが、自然界の営みの根源だと考えられています。つまり、陰陽思想とは、物事の本質を捉え、その変化の法則性を理解しようとする思想なのです。

日本でも、この陰陽思想は大きな影響を与えており、和服の配色やお茶の湯、庭園の設計など、様々な文化の中に反映されています。自然と調和し、その移り変わりを受け入れる心性は、まさに陰陽思想の精神に通じるものがあるのです。

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五行思想 – 循環と相生相克の世界観

陰陽思想をさらに発展させたのが、五行思想です。五行とは、木、火、土、金、水の五つの要素を指します。五行思想に関しては、別の記事で詳しく説明したいと思いますので、ここでは簡単な要約を説明します。

これらの五行は、互いに生成し合う関係にあります。たとえば、木は火を生み出し、火は土を生み出します。一方で、金は木を切り、水は火を消します。このように、五行は循環的な関係にあるのです。

このように、五行思想では、自然界の事物が相互に影響し合い、絶えず変化し続けていると考えられています。ここには、宇宙の営みを捉える包括的な世界観が表れています。

さらに、五行は相克の関係もあります。たとえば、木は土を切り、土は水を塞ぎます。このように、五行には相生と相克の二つの側面があるのです。

この相生相克の概念は、単に自然界の営みを表すだけでなく、人間社会の在り方にも通用します。個人や組織、国家間の関係性などを、五行の原理で分析・理解することができるのです。

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八卦と六十四卦 – 自然と人事を兼ね備えた知恵

陰陽五行思想のさらなる発展が、八卦思想です。八卦とは、乾(けん)、兌(たく)、離(り)、震(しん)、巽(そん)、坎(かん)、艮(こん)、坤(こん)の8つの卦から成る思想体系です。

この八卦は、陰爻と陽爻を組み合わせることで構成されています。たとえば、乾卦は陽爻3本からなり、天、創造、男性といったイメージが付与されています。一方、坤卦は陰爻3本からなり、地、女性、受容といったイメージが付与されています。

このように、八卦は陰陽の組み合わせによって構成されており、それぞれの卦が自然界の様々な現象を表現しています。そして、これらの八卦を組み合わせた六十四卦が、『易経』の中核をなすものとなっています。

ここで重要なのは、八卦が自然界の現象だけでなく、人間の行動や運命をも表現しているということです。つまり、陰陽五行思想と八卦思想は、自然と人事を兼ね備えた知恵なのです。

たとえば、乾卦は天、創造、男性といったイメージから、リーダーシップや決断力を表すと解釈されます。一方、坤卦は地、女性、受容といったイメージから、忍耐力や柔軟性を表すと解釈されます。このように、八卦は人間の在り方を示唆するのです。

陰陽五行思想の実践 – 調和と調整の智慧

以上のように、陰陽五行思想と八卦思想は、自然界の営みを捉える包括的な世界観を示しています。そして同時に、人間の行動や運命をも表現する思想体系なのです。

では、この思想をどのように実践すれば良いのでしょうか。

その鍵となるのは、調和と調整の智慧です。陰陽五行思想が教えるのは、対立する要素を排除するのではなく、それらが互いに影響し合いながら循環していくことの大切さです。

たとえば、組織運営において、権力と自由、効率と創造性といった相反する要素が存在します。しかし、これらを一方的に追求するのではなく、適切な調整を図ることで、組織の健全な発展につなげることができるのです。

同様に、自身の生活においても、仕事と家庭、理性と感情といった要素のバランスを取ることが重要です。単に一方を優先するのではなく、状況に応じて柔軟に調整していくことが、豊かな人生につながるのです。

このように、陰陽五行思想は、自然の摂理を理解し、それを日常生活に活かす知恵を示してくれます。私たちが、この思想の精神を身につけることで、調和と調整の智慧を発揮し、より良い社会を築いていくことができるのではないでしょうか。

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陰陽五行説

古代中華思想で、東洋思想、東洋哲学では物事すべては、陰と陽からなるといっています。古代中華の思想ではありますが、5000年という長い期間、研究、実践した技術でもあります。森羅万象、宇宙のありとあらゆる物ごとをさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つに分類する陰陽思想が基本的考えとなります。
これは、陰陽五行説の四象、八卦を学ぶうえで、宇宙の法則を知ることにもなります。

陰陽思想が基本的考え。
☆森羅万象、宇宙のありとあらゆる物が陰(いん)と陽(よう)の二つに分類する。
☆陰と陽とは正反対の気であり、すべての物ごとの生成消滅という変化はこの二つの気によって起こす。
☆陽が強まれば陰が弱まり 陰が強まれば陽が弱まりバランスを取ろうとします。
☆陽中に陰があり、陰中に陽がある

易有太極 (易は太極にあり、)
是生兩儀 (これ 両義を生じ)
兩儀生四象(両義は四象を生じ)
四象生八卦(四象は八卦を生じ)
八卦定吉凶(八卦は吉凶を定め)
吉凶生大業(吉凶は大業を生ず)

混沌の時代。易は太極にあり。

陰陽五行説の四象、八卦を学ぶうえで、宇宙の法則 ができる歴史を見てみましょう。
太極ができるずーと前、混沌の時代がありました。神話の世界の話です。

天も地もなく、深い淵のような、混沌の時、盤古は存在していました。
盤古の成長は、長い時間の中で、成長し巨大な人物になりました、天も地もない混沌の世界。大きいといえばひたすら大きく。でかく膨大でした。しかし、この盤古も死を迎え死に絶えますが、亡くなった盤古は、万物の元となりました。

その声はカミナリとなり、その息は、風となり、左目は太陽となり、右目は月となり、髪の毛やひげが天に散らばる星々となつて、人の運勢の指針となりました。汗は雨となり、人がひたいに汗した時、恵みの雨を降らせ、手足は人が生きていく大地の4本の支柱になり。人を東西南北から見守り、体は五つの名山となりました。(東岳泰山,南岳衛山、中岳嵩山、西岳華山、北岳恒山)、血は、河となり、肉は大地に、皮や体毛は草木に変化し、骨や歯は、地中に残る金属や、石になりました。精液と骨髄は、真珠、翡翠という貴石となりました。その後、伏義と女媧が地上に誕生し、人々が生まれてきます。

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易は太極にあり,これ 両義を生じ。

伏羲と兄弟とも夫婦ともいわれる女媧(じょか)ですが表す絵図には足を絡ませて立っています。これは、天の混沌から生まれた二気が絡まり合い。天の大いなる力を示しています。混沌から一元 陰陽二気がいまれてはいますが、自然界の法則性を探求する中で、天の法則を表したと言えます。

易有太極 (易は太極にあり、)
是生兩儀 (これ 両義を生じ)

陰爻

いんこう

陰爻
陽爻と対象的なものとして表現されます。相反する存在ではなく、お互いの存在を認めあって存在します。
陰爻は、陰気くさいとか、じめじめとか変な表現がおおいのですが、陽爻がなければ存在しません。陰爻の代表が女性で表しますが、この世の中が女性だけ、メスだけ雌しべだけ、となったら、存在自体がありえません。陽爻あっての陰爻であり、陰爻あっての陽爻なのです。

陽爻

ようこう

陽爻
陰爻と対象的なものとして表現されます。相反する存在ではなく、お互いの存在を認めあって存在します。
陽爻は、陽気とか、日向とか、ともかく明るさだけが強調されますが、陰爻がなければ存在しません。陽爻の代表が男性で表わしますが、この世の中が男性だけ、オスだけ雄しべだけとなったら、存在自体ありえません 陰爻あっての陽爻であり、陽爻あっての陰爻なのです。

【易の基本】陰陽思想が説く調和の哲学 - SDGsの未来を照らす東洋の知恵 陰陽、二気から四象があらわれる 太極が両義(陰陽二気)に分かれ陰陽二気から四象が現れました。神話の世界では、天から降りてきた伏...

兩儀生四象(両義は四象を生じ)

陰陽という夫婦から、4人の子供が生まれました。 陽性を土台として生まれた二人の息子 太陽(老陽)と少陰。陰性を土台として生まれた二人の娘、太陰(老陰)と少陽として生まれました。

兩儀生四象(両義は四象を生じ)

太陽、

ろうよう

太陽、
陽中の陽を表し、熱い夏の太陽をイメージするとわかるように、非常に熱いエネルギーを蓄えています。夏

太陰、

ろういん

太陰、
陰中の陰を表し、真冬の極寒をイメージするとわかります。 非常に冷たいエネルギーを蓄えています。冬

少陰

しょういん

少陰、
陽中の陰を表します。夏の暑さから、涼しい秋口に流れる 非常に清々しいエネルギーを蓄えています。秋

少陽

しょうよう

少陽
陰中の陽を表します。 冬の寒さから芽吹く季節えと変わる 非常に嬉々としたエネルギーを蓄えています。 春

【易の基本】四象 八卦、易に観る天地の法 四象・八卦が伝える陰陽の力と宇宙の法則 易は天地の理 法則性のある学問 両儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず。 易(えき)は伏羲が天地の理(ことわり)を察して四象...

四象生八卦 (四象は八卦を生じ)

四人の子供から生まれた孫息子、孫娘は男三人 女三人でした。四象も成長し、それぞれに陰爻陽交が増え、三段になることで、安定し基本的な姿が見えてきます。
たとえば、指一本では、指の上に乗った皿を支えられません。指二本でも支えられません。しかし三本の指であれば、指の上に乗った皿を最低限、安定して支えられます。八卦に三爻が現れることで、安定が生まれてきました。

【風水】陰陽思想が説く、調和の哲学 - SDGsの未来を照らす東洋の知恵 古代から受け継がれる調和の理念 約1800年前、三国時代に生きた管輅は、風水思想の草創期を担った重要人物でした。 彼が確立...

四象生八卦(四象は八卦を生じ)
八卦定吉凶(八卦は吉凶を定め)

乾 卦

けん

乾  
天 父 北西 馬 頭
陽爻三本重ねた図形  五行では、金に属します
イメージは、天 創造、円満 無限 光沢 男性 嵩い 厳正 支配 宇宙 皇帝 君主 大河 海 大海原 龍 ライオン 王者 陽の溜まったエネルギー ダイナミック 五行が金なので、原色の赤、緑を着ると気が萎える。木に対して相克関係 1.3.4.9の数字は避ける。

兌 卦

兌  
沢 三女末娘 西 羊 口
陽爻二本の上に陰爻一本を重ねた図形 五行では 金に属します。
イメージは、沢 歓喜 和 娯楽 笑い 色情 艶 雄弁 愛嬌 楽しい 幼子 末娘 女優 評論家 谷 湿地 羊 喜びのつまったエネルギー 自己の喜びを追求する メタリック 金 淡い灰色 白 土からエネルギーをもらう。五行が金なので、 原色の赤、緑を着ると気が萎える。木に対して相克関係、1.3.4.9の数字は避ける。

離 卦

離  
火 次女 南 鳥 目
陽爻二本に挟まれた陰爻で表す図形  五行では 火に属します。
イメージは、火 美 光明 日輪 敏感 観察 ファッション 競争 次女 芸術家 美人 賢人 景色が良い 火口 鶴 きじ 分断するエネルギー 五行が火なので、原色の赤 緑が良い 水が火を消すように 水に属する濃い青、灰色 黒は気が抜ける。1.2.6.7.8の数字は避ける 

震卦

しん

震  
雷 長男 東 龍 脚
陽爻を土台に陰爻二本が乗っかった図形  五行では 木に属します。
イメージは、 雷 奮起 活動 飛躍 決断 志 成功 仕事 振動 大きい 電気 精力 雷のある環境 地震 噴火 鷲 鷹 蓄積したエネルギー 五行が木なので、緑を基調して黒 灰色 がいいが、土は相克なので、黄色、茶色は気が萎える。2.6.7.8の数字は避ける

巽卦

そん

巽 
風 長女 南東 鶏 尻
陰爻を土台に陽爻二本が乗っかった図形  五行では 木に属します。
イメージは 、風 温和 柔軟 チャンスを掴む 浸透 呼吸 軽快 長女 職人 優柔不断 田園 草原 洞窟 蛇 魚 穏やかなエネルギー  五行が木なので、緑を基調して黒 灰色 がいいが、土は相克なので、黄色、茶色は気が萎える。2.6.7.8の数字は避ける

坎 卦

かん

坎  
水 次男 北 豚 耳
陰爻 二本に挟まれた陽爻で表す図形  五行では 水に属します。
イメージは、 水 土を欠く はらむ 流出 底しれぬ 危険 思想 次男 作家 多情家 河 沼 湖 ネズミ 馬 深く沈む流れるエネルギー 五行が水なので濃い蒼 灰色と暗めの色 ワンポイントで水を助ける金に属する色を添えると良いでしょう。 2.6.7.8の数字は避ける

艮卦

ごん

艮 
山 三男末っ子 北東 犬 手
陰爻二本の上に陽爻一本を重ねた図形 五行では 土に属します。
イメージは、 山 静か 慎重 瞑想 誠実 孤立 展望 こだわり 末っ子  宗教家 頑固 高台 丘 土手 犬 豹  深々とした静寂のエネルギー  五行では 土なので、活かす色は黄色、茶色 親が火である赤系の色も良い、反対に木は相克関係なので緑や青は気が萎える。 1.3.4.9.の数字は避ける

坤卦

こん

坤  
地 母 南西 牛 腹
陰爻三本重ねた図形  五行では、土に属します .
イメージは、地 受容 柔軟 女性 遅い 低い 忍耐 癒やし 愛情 妻 母 平野 大地 牧場  うし 猫 陰のたまったエネルギー    五行では 土なので、活かす色は黄色、茶色 親が火である赤系の色も良い、反対に木は相克関係なので緑や青は気が萎える。 1.3.4.9.の数字は避ける

【易の基本】古代中国の重要思想「八卦」の意味と影響 八卦の起源と展開 八卦の起源は古代中国の伝説的な文化英雄、伏羲(ふくぎ)にさかのぼります。伏羲は女媧(じょか)と共に、人類の始祖...

八卦定吉凶 吉凶生大業 ( 八卦は吉凶を定め 吉凶は大業を生ず )

(易経)に、悪を遏めて善を揚げ、天の休命に順うとあり。吉凶成敗は天にあっても,
それをそれを招くゆえんは人間にある。


(易経)に悪を遏めて善を揚げ、天の休命に順うとあり。吉凶成敗は天にあっても,それをそれを招くゆえんは人間にあるとあります。悪なる心悪心邪心を収めて善心良心を行い、天心天運に従うとあり、良し悪し運不運は天(天帝、見えない宇宙の力)にあるのだとしても、それを招いているのは人間なのだといっています。

六四 卦 上経30卦 下卦34卦

八卦を伏義が見つけ出し、発展し意味をもたせるのに多くの時間を費やしてきました。
伏義、文王 孔子の 三古により易経は完成していきます。
この八卦を上下に重ねる形に持っていったのが、文王です。初代周王朝の王 武王の父王です。上卦と下卦とを合わせ64卦の組合わせを築いてきました。
このことにより、自然界の様々な意味を伝えることができるようになりました。
確かに自然界は 山だけ 水だけ 火だけ 沢だけということはなく。山と水 火と沢 など目に見えるものは混ざり合って、美しさを生綿出せています。
伏義が、天の象を形として落とし込んだ八卦は、文王によって、目に美しい色彩を帯びるようになりました。

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詳しくは、簡単コイン投げ、擲銭法(てきせんほう)にて解説してゆきます。

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