天風姤(てんぷうこう)
六四卦の四四番目に位置するのが、天風姤(てんぷうこう)です。巽卦☴(そんけ)の上に乾卦☰(けんけ)が乗っかっている形になります。
上卦の乾卦☰(けんけ)です。乾卦は陽中の陽を表し、家族の中では父を表し、八卦においては、天を表します。
下卦は、巽卦☴(そんけ)です。巽卦は、陰爻の上に陽爻が2段乗った形です。家族の中では、長女を表し、八卦においては風を表しています。
巽卦☴(そんけ)は年を取った中年女性でもあり、家族の中の長女でもあります。風は、いたるところに入りこみ、流れていきます。こちらが良い、あちらがいいといった比較を行い、
打算で人生を計画してはいけません。親は、娘の幸せを願い、愛を降り注ぐます。男親の厳愛は、時として、娘の反発を生みます。親の行動で、娘を縛り付け、長い間、嫁にもいけず、苦しい心の内に、秘密を抱えて、多くの男性と、肉体のみの関係を繰り返し、心に愛を持てずにいます。親の縛りは、時として、娘の幸せを壊すことになりかねません。
出会いは、突然やってきますが、その出会いに対して、準備をしていたものが、幸せに出会います。多くに肉体関係を持っていたことを秘密にして生活すれば、絶えず、比較を繰り返します。あの人は、こんな言葉をかけてくれた、あの人は、私のここを褒めてくれた、あの人は、私をこのように喜ばせてくれたと、多く経験すればするほどに、心は廃れ、比較を起こし、愛を貪り、現状をどのようにしたらよいかということに心を砕くこともなく。この人は個々が悪く。私を喜ばすことがない。こうして、出会いは、別れも生んでしまいます。
姤(こう)とは、
邂逅(かいこう)の逅と同じで、偶然の出会いを意味します。古事記において、イザナミが、私には、成長して、なお足らない部分があります。イザナキが、私には、成長してなお余るものがあるといい。では、御柱をまわり、出会った場所で契ろうというのが国生まれの儀式ではありますが、
しかし、女神のイザナミが先に声をかけることで生まれたのが泡(あわ)でした。そこで親神に尋ねると、女性から声をかけてはならない。そこで、男神から声をかけて、国生みがうまく行ったというのがあります。
この卦は、男性にとっては、気をつけるべき卦です。女性の秘密を知らず、行えば、痛い目に遭うのですが、女性の側は強くアタックしても良い卦です。強い運気に恵まれて、良い運気です。
姤(こう)とは、男女の出会いによっては正反対の運気を示しています。
天風姤(てんぷうこう)のイメージ
天風垢 。女壮。勿用取女
「垢」の時、女は壮大。むろんこの女を妻に迎えてはならない
「垢」とは、会う
男女の出会いほど不思議はない。天の陰陽が分かれ男女になったのであるから、性は陰陽で決まる。女性が、この卦に出会うならガンガン推し進めて構わないが、男が、この卦に出会った場合、よくよくお互いを知りむやみに決めてはならない。 安易な気持ちや、欲望を先立てた結婚は破滅に進みます。
天風姤(てんぷうこう)の六爻
天風姤(てんぷうこう)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陽、三陽、四陽、五陽、上陽と並んだ状態を、天風姤(てんぷうこう)といいます。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陽 興奮し、威嚇し、高慢、強情、角を突き出していては他人とうまくいくはずがない。行き詰まって吝(りん)だが、咎めはない。
五陽 楊(やなぎ)の籠に瓜2つ。天命を忘れず思いがけない、天寵(てんちょう)を受ける。美徳を表に出して見せびらかして生きることがないように、内に秘めて良しとする、
四陽 苞(つと)に包んであった魚が無くなる。凶事のもとである。努力すべき人との関係が切れてしまう。民衆の心が遠ざかり、為政者(いせいしゃ)にとつては、痛手である。
三陽 危うい関係に至らぬ前に、動かないのが良い、尻が擦りむけて、思うように動けないのが、かえってよい場合もある。
二陽 苞(つと)に生臭い魚が包まれている、そのままならまだしも、客に差し出すのは良くない。家のことは、家で処理するのが良い。
初陰 痩せた豚が、やたらと動き回っている。鉄の杭にしっかりと止めてお置かなければならない、軽率に動き回れば、凶となる。
64卦
周易 上経 30卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |