風火家人(ふうかかじん)
六四卦の三十七番目に位置するのが、風火家人(ふうかかじん)離卦☲(りけ)の上に巽卦☴(そんけ)が乗っかっている形になります。
上卦は、巽卦☴(そんけ)です。巽卦は、陰爻の上に陽爻が2段乗った形です。家族の中では、長女を表し、八卦においては風を表しています。
下卦は、離卦☲(りけ)です。離卦は両サイドに陽爻を持ち陰爻が陽爻に包まれた形となり、火を表し、家族のなかでは次女を表します。
家族は、同じ家に住んで、情をつなぎあった存在です。自分の立ち位置が、長男なのか、次男なのか、長女なのか、次女であることによって、それぞれに、家族の中での役割を自然と学習し、その役割を果たそうとします。そこには、父母の愛があり、父母もまた、父母としての役割を行っています。家族の中で、自分の役割を認識するというのは、自分の立ち位置が決定していることで、安心が生まれ、安全が生まれるので、心の安らぎを受けます。
もし、家族がいない、家族との折り合いが悪いとどうなるでしょう、その家庭のおいての役割が定まらず、自分の立ち位置が定まらないため、安心ではない、不安が生じ、安全ではない、危険がまとわりつくといった、心の安定が求められず、不安と恐怖を感じてしまいます。
ここにおいては、家族の中での立ち位置の確認を必要とします。家庭に居場所がない父であれば、安定を求めて、外に家庭をつくってでも安定しようとします。家の中にいて寂しい感情であれば、別のところに心の安定を求めて出ていきます。立場が、母であっても同じです。長男であろうと、長女であろうとその役割、自分の立ち位置が、ぐらつくような家庭であれば、外に出ていきます。
この、風火家人(ふうかかじん)は、下に次女、上に長女という、家族の中の立ち位置を表し、役割をよく守っている卦であり、下に火、上に風を当てられて、物がよく燃える構図であるとも言えます。この風火家人は、家族において、自分の立ち位置を理解した、女性たちによって、家族が、まとまっていることを意味します。
家人とは、
家人とは、文字のごとく、家の人です、八卦に出てくるのは、八人です。八人で、家族を形成し、八人で社会をつくっていますので、八人がまとまることは、社会もまとまることでもあります、
家和して万事なると言われるように、家庭内のいざこざがないことで、家の中が安定します。家を守る妻を家内と言い、家の外に出ていく夫を家外【利井】と言いますが、それぞれの役割を理解して、行うことが良いのです。家人とは、風火家人(ふうかかじん)の卦のごとく、家族が揃い、下卦の離卦が、上卦の巽卦を支えているように、順当な位置は、家庭内の安定を意味します。
ただ、この家人は、騒がしいことを嫌います。ゲラゲラと品なく笑って、仲良くというわけには生きません。主人がそれでいいと言っていても、正しいとは言えません、いくら正しいと言っていても、正しくないことは多くあります。主人の威厳を守って行うことを、良しとする卦です。
家人のイメージ
家人。利女貞。
「家人」の時は、女性が貞節をもって家を治めるのが良い
「家人」は家庭をであり、女性です。
家和して万事なると、この言葉につきます。家庭とは、夫婦と子供がいて、継続する社会となります。社会の最小単位が家庭地行ってもよいでしょう。家庭の中の女性の位置は、潜在意識の核と見ます。家人の女性が、貞操を守り、家庭を守り、子を守る愛情が、温かい暖炉の炎となり居心地の良い場所になります。
風火家人の六爻
風火家人(ふうかかじん)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陽、二陰、三陽、四陰、五陽、上陽と並んだ状態を言います。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陽 意識を尽くし、常庭が見を反省してゆけば、自ずと、威厳が湧く最終的には、吉
五陽 主人が、立派に、家を収めている。一家、互いに、睦み合えば、なんの心配もない。吉
四陰 柔軟な態度で、家族を収めてゆけば、家は、富む。大吉
三陽 家族に対して厳格すぎる。それを反省し、寛厳(かんげん)よろしきであれば、吉、女子供に節度なく、笑い興ずれば、折り目なく吝(りん)となる。
二陰 我を通してはいけない。家族の中の自分の務めをはたし柔軟な心で、いれば、吉
初陽 正しく、家を治めれば、くいることはない。
64卦
周易 上経 30卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |