沢地萃(たくちすい)
六四卦の四五番目に位置するのが、沢地萃(たくちすい)です。坤卦☷(こんけ)の上に兌卦☱(だけ)が乗っかっている形になります。
上卦は、兌卦☱(だけ)です。兌卦(だけ)は陽爻を下に陰爻を上に据えた卦で、家族においては 末娘 三女を表して八卦においては、沢を表します。
下卦の坤卦☷(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族の中では母を表して、八卦においては地を表します。
沢地萃(たくちすい)の下卦の坤卦☷(こんけ)です。坤卦は、大地を表しています。その上を流れる沢を兌卦☱(だけ)が表しています。 この沢地萃(たくちすい)は、豊かな大地に沢が流れています。沢の周囲には、草木が生え、昆虫が集まり、それを食べる小動物が集まり、喉を潤し、連鎖が繰り返される。
孔子は、で出会った人を知りたくば、その友を見よと言っています。自分の周りに集まる人間の質は、その人が持っている質に共鳴します。 音叉をひびかせルト、同じように共鳴して響き合います。人が集まるというのは努力も必要ですが、自分の周りに集まる人間の役に立つ人間になることが重要です。自分の周りに集まる人間が、心を求めて集まるのか、物を求めて集まるのか、具体的には、お金を求めて集まるのかで、その質は変わります。
沢に流れる水が清く美しいのであれば、希少な生き物が集まります。泥のような汚れを好む動物もいますが、その水の質により集まる動物や植物が変わるように、自分の愛の持ち方、情の持ち方、感情の持ち方により、集まるものも、人も変わっってきます。
お金があれば人は集まります。利権が関われば、人は集まります。しかし、そういった、欲打算で集まってきた人を喜ばせてはいけないのです。
それは、あなた自身を卑しくして、堕落させるだけです。ともに共存する時、親子の愛は強いものです。沢地萃(たくちすい)は、母の大地の上を、末娘の沢が自由に流れ、豊かさを運んでいます。愛を運ぶことが、あなたの人生を豊かにします。何をどのように集めるのは、あなたの自由です、大地の上を自由に流れる沢のように、何をどのように選択するかにより、集まるものの質は変わるでしょう。」
萃(すい)とは、
萃(すい)とは、集まることです。人が集まる、物が集まる。その喜びと繁栄を感謝して王者が霊廟に参拝し、盛大に祭礼を行うことで、より優れた指導者に従い、正道を持って集まり、ますます伸び栄えることです。集まるものには、必ず習性があります。天地万物の実情を知って、いれば、豊かな大地に水が流れ、草木が茂ります。
沢地萃(たくちすい)のイメージ
萃。亨。王仮有廟。利見大人。亨。利貞。用大牲吉。利有攸往。
「萃」の時、通じる。王が宗廟に祖先を祀る。大人に相談して。通 じる。貞正であれば良い。祭物(牛、馬,山羊)を用いて祭祀を行って吉。進んで良い
「萃」は集まる 集結
政治家や人気タレントが喜ぶ卦です。魅力のある風貌、言葉づかいに魅了され人が集まります。お金や名誉をさらけだして集めた人は去ってゆきます、その人を見るには周辺に集まる人を見ば、権力に集まるのか、お金に集まるのか、利害関係であつまるのかわかるでしょう。人が集まるのはいいが、大人(良識人)に相談し、先祖をまつることで道は開かれるでしょう。
沢地萃(たくちすい)の六爻
沢地萃(たくちすい)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陰、四陽、五陽、上陰と並んだ状態を、沢地萃(たくちすい)といいます。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陰 孤立する。このままではだめだと、嘆き悲しむなら、咎めはない。
五陽 人心を集めて、位を保つ 咎めはないだろうう。しかし、心から、敬服されているわけではない。長くこの道を守れば、悔いはなくなる。
四陽 不相応な地位にいるが、慎んでいれば、大吉 咎めを逃れられる
三陰 集って来ては、ため息ばかり、何事もうまくいかない。しかし、積極的に求めれば、友を得て、咎めはない。やや吝(りん)
二陰 仲間を引き連れて、中正の道を守り、吉 咎めはない。 誠意さえあれば、礼は簡素で良い
初陰 誠意はあるが、全うできない。動揺して混乱する しかし、真剣に友を求めるなら、たちまち微笑みをかわすことができる。心配することはない。進んで物事を行っても、咎められない。
64卦
周易 上経 30卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |