水山蹇(すいざんけん)
六四卦の三十九番目に位置するのが、水山蹇(すいざんけん)艮卦☶(ごんけ)の上に坎卦☵(かんけ)が乗っかっている形になります。
上卦は、坎卦☵(かんけ)です。坎卦は、家族の中では、次男を表し八卦においては、水を表します。
下卦は艮卦☶(ごんけ)です。艮卦は陰爻2段の上に陽爻が乗った形で、家族においては末っ子 三男をあらわします。八卦においては山を表しています。
下卦も艮卦は、山を表し、上卦の、坎卦は水を表すように、この卦は、山の上の水の勢いを表します。激しく落ちてくる水は、止めようもなく、まっすぐに、自分で判断が難しいときは、見識のある人に聞き、それ以上にどうしようもないときには、天に聞けとあります。
下流に落ちる。その水の激しさは、止めることができず、家さえも押し流します。ただ、易経には、【貞しければ吉】とあります。貞操を守り、行いを正しくしていれば 物事は、基地になるということです、易経は良く、身の貞操をよく解きます。天の動向を意識して物事を判断することも、解いています。
困難に負け、障害に負け、渦中にいると、身の不自由で、普段の力が出ません。すべての困難は、外にあるように思えるのですが、実は、自らの内にあることを知って対処すれば、吉となります。
天道勸善懲惡,凡人為善得福,為惡則得禍。
☆ 天は善を罰するように忠告し、人間は善のために福を受け取り、悪は不幸を得る。悪いことをすれば 罰せられ、いいことをすれば、福を受けるということです。
蹇(けん)とは、
蹇(けん)は、足萎えのことで、自由が効かず、基盤がぐらついている状態です。前に進んでも、後ろを見ても、
危険がいっぱいで、にっちもさっちもいかない状態と言えます。こういったときは、無理をせず、平易【わかりやすく、優しい】なみちを選びましょう。見識のある人物を日頃から見つけておけば、見識のある意見を受けて進むことができます。
ぽっと出のあたりで、信用した人に騙されるので、日頃の付き合いで、良い人にあっておきましょう。それでも、苦難が続くのなら、それは、運命です。いたずらに進むことなく、静かに、我が身を振り返り、人徳を磨く期間として、危険なときが、すぎるのも、必要です。
水山蹇(すいざんけん)のイメージ
蹇。利西南。不利東北。利見大人。貞吉。
「蹇」の時、平坦な西南(坤・地)方位が良く、東 北(艮・山)方位は不利。 大人に相談せよ。貞正にして吉。
「蹇」は、山、川にさえぎられる。
歩く道が閉ざされ、深い井戸を見たとき深すぎて底が見えないが、くみ上げると清い水が飲める。行く方位を間違えなければ、水に足をすくわれることもない、自分の素手で戦うことを選んではいけない、道に迷い途方に暮れたとき、周りが見えず、不安と恐怖が襲いきますが、大人(良識人)に聞き、心身を清めれば道は開けます。絶望するほどではない。
水山蹇(すいざんけん)の六爻
水山蹇(すいざんけん)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陽、四陰、五陽、上陰と並んだ状態を言います。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陰 進めば、艱難(かんなん)に合うが、退いて、守れば天子のために、大功(たいこう)を立てることができる。優れた、人物の指導を仰ぐがよい。
五陽 大いに苦しむが、節度を守レバ、助けてくれる友が現れる。
四陰 進めば、艱難(かんなん)に合うが、退いて充実をはかれば、人々と協力して切り抜けることができる。
三陽 進めば、艱難(かんなん)に合うが、退いて、守れば、悩みはなく、仲間に喜ばれる。
二陰 主君のため、大いに辛酸をなめる利己のためではないのだから最後には、咎められることはない、
初陰 進めば、艱難(かんなん)に合い。退き守れば、誉(ほま)れを受ける。
64卦
周易 上経 30卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |