巽為風(そんいふう)
六四卦五七番目に位置するのが、巽為風(そんいふう)となります。巽為風(そんいふう)が表す卦は、䷸ 陰交の上に陽爻が二本重なった陰爻と陽爻の卦が上卦、巽卦、下卦 巽卦がつながることで現れるのが巽為風(そんいふう)となります。
巽卦は、陰爻と陽爻が重なり、陰爻の愛情がより色濃く出てきた卦ともいえます。陰爻は、女性の優しさと強さを持ち合わせながらも、すべてを包みこむ愛があります。女性の体内に入る精子はただ一つですが、その一つの細胞を包み自らの卵子にいれて そこにかかる血も栄養もあらゆるものを入れ込んで生まれる子にあたえるものは。99.999%の殆(ほとん)どが母(坤)の体より与えられ、父(乾)は種を蒔いてあたえた0.001%です。そこから生まれる巽為風(そんいふう)は母(坤)の愛の分身ともいえる存在です。
巽為風(そんいふう)のイメージ
巽。小亨。利有攸往。利見大人。
「巽 」の時は、小事は通じる。進んで良い。大人と相談する
巽卦の象徴は、長女、風となります。風はどんな隙間にも入り込んでいきます。
ゆるやかに流れればそよ風や、春風のように柔らかく、どのような場所にも入りこんでゆきます。風はどんな隙間にも入り込みます。巽卦は入り込むことを意味し、それは、人の心の隙間にも入り込み、なごませ、希望を降り注いでくれるやさしさを持っています。それは温和の思い、流動としての細やかさを持ち、
長女として、母の愛を伝えるやくめを担っているからです。
また、風は物に当たればするりとよけるように、どんな仕事もそつなく柔軟に適応するこ都ができます。
人は呼吸をしなければ数分と生きていけません。巽卦はそのように生きていくのに必要なものをあらわしています。母(坤)からうけた愛を伝える役割をもって生まれているため、いたわる心と深さを必要としているもとにさっと入り込む行動と決断を持っていると言えます。そうした巽卦の力を上下にあわせもった巽為風(そんいふう)であるため、その愛は尋常ではない深さを持ち合わせているため、はた目には、甘やかしているとか、ゆるしすぎて決断しない人と見られがちです。
このように、巽為風(そんいふう)のイメージは、長女であり、やさしさ、温和、を表します。ただ、物事を一人で決めたり、何事も自分で進めていく行為はすべきでない存在です。
母(坤)の意見や、弟、妹の面倒をみないなど、愛の原則を無視して行動を起こせば、それはそよ風ではなく暴風となり周りを巻き込んで甚大な被害を起こす羽目になります。ゆえに、大人(良識人)に相談することが、巽為風(そんいふう)には必要であるため、日ごろの相談できる人々を周りに見つけてください。
巽為風(そんいふう)の六爻
巽為風(そんいふう)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陽、三陽、四陰、五陽、上陽と並んだ状態を巽為風(そんいふう)といいます。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陽 巽卦は謙虚の上に謙虚を重ねるが、出れ彼構わず頭を下げていたら、軽視され財産を失う、正しいからと言って貫くことが正しいとは限らない。節をみて行動しないなら凶となる。
五陽 正道を通せば吉となる。悔いなく、はじめ困難であっても難航していても続ければ順調にいく、改革、改善が必要であれば、よく知恵を出し、熟考してゆけば吉となる。
四陰 悔いなく生きていける。外に出て狩れば、獲物が得られ、豊かさを増す。
三陽 謙遜も度が過ぎれば 傲慢ととられる。卑屈な態度は益を得られない。
二陽 謙虚に謙虚を重ねるようにひざまずき、神に祈る姿勢をもって、神託を受ければ吉となる。
初陰 確固たる信念がなく。進退を決めれない優柔不断さは常の有様、武人の節操を見習うのがよく。変わらぬ信念を持つべき