雷風恒(らいふうこう)
六四卦の三十二番目に位置するのが、雷風恒(らいふうこう)。巽卦☴(そんけ)の上に震卦☳(しんけ)が乗っかっている形になります。
上卦は震卦☳(しんけ)です。震卦は陽爻1段の上に陰爻が2段乗った形で、家族においては、長男をあらわします。八卦においては雷を表しています。
下卦は、巽卦☴(そんけ)です。巽卦は、陰爻の上に陽爻が2段乗った形です。家族の中では、長女を表し、八卦においては風を表しています。
震卦☳(しんけ)は家族のうちでは長男であり、八卦においては雷をしめし、卦としては剛卦となります。また、巽卦☴(そんけ)は、家族においては長女であり、八卦においては風を表しますし、卦としては柔卦となり、雷風恒(らいふうこう)は柔卦の上に剛卦がたち、中年女性の上に中年男性が経ち、家族構成においては、長女の上に長男がたつ 男女においては、相思相愛の夫婦の形をなしていると見ます。
易ので会においても、盤古が大地を創った後に生まれた、伏義(ふぎ)と女媧(じょか)は兄弟でありながらも、夫婦として、泥のついた縄を振り回し、人を創ったとあります。
雷風恒(らいふうこう)は結婚し、ある程度の万難苦を超えて、過ごしている夫婦を表しているとも言えます。燃え上がる恋愛感情を、31番の沢山咸(たくざんかん)で超えて、雷鳴と風が一つとなって、自然の息吹の愛を伝える存在となる反面、生活も安定し、自分で使えるお金や財物が増えることで、他の男性、女性に目移りしてしまうそんな危険性をはらんでいます。
しかしここで、一呼吸おいて 幸福な家庭は、恒久不変(こうきゅうふへん)であることであると気づかなければなりません。下卦の巽卦(そんけ)は上卦の震卦(しんけ)を心から愛し、上卦の震卦(しんけ)は、下卦の巽卦(そんけ)を愛することで互いの心が震える感動は、恒久不変(こうきゅうふへん)な愛を築いていくことになるのです。
恒とは、
恒とは、恒久不変(こうきゅうふへん)の恒(こう)です。恒久は物事が変わらないことを意味します。私達の住む環境を見渡しても、太陽は、善良な人間にも、嘘偽りの多い人間にも、変わりなく降り注ぎ、空気もあますことなく地球の行けるものに必要なものとして与えられています、恒久的に変化なく与えられています。
また、月は地球の周りを回り、地球もまた、太陽の周りを自転しながら、公転している事実を私達は知っています。人は知らないことも多いのですが、知ろうとする欲心を持ち続けて男女の交わりにおいて子孫を残し、そういった行為に置いても、男性同士で子を生むこともできず、女性同士でも子孫をを増やすことはできないといった、天地に続く持続性の理(ことわり)を示して言葉と言えます。
また、わたしたちの生活において、正しい考え方正しい感情、正しい行動を続けていくこ戸により、調和、健康、平和といった心の豊かさを経験するための、維持を表しています。
雷風恒(らいふうこう)のイメージ
恒。亨。无咎。利貞。利有攸往。
「恒」の時、通じる。天意に従え。貞正であれば良い。進んで良い
「恒」 は恒久不変です。
事を始めるのにいい卦です。持続可能の状態が継続的に続けていける環境にあり、一定の時期不変的に動けることで、目標にしていたことが達成できます。
雷風恒(らいふうこう)の六爻
雷風恒(らいふうこう)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陽、三陽、四陽、五陰、上陰と並んだ状態を、雷風恒(らいふうこう)といいます。
六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。
上陰 恒常(こうじょう)の道を揺るがす、しかも上に位し、大失敗を招き兼ねない。 凶
五陰 従順の徳を守り、久しく変わらない、不貞をあ働けば、道はない、物事の道理は、一途に愛するところにある、義のあるところに従うべきである、かかあ天下も、尻に敷かれるのも良くない、そこは、女性が、うまく夫を動かす知恵がいる。知恵な気は滅びる。
四陽 身分相応ではない、ふさわしがらぬ地位荷いつまでもしがみついて、得することはない。狩りすれど獲物なし。
三陽 貞操(ていそう)を忘れる、身の置き場がなく、恥をかくだけである、それなりの理由や、言い訳があったとしても、それは通じず 貧乏くじを引くだけだ 不倫に正義はない。
二陽 悔いなく過ごせる、長く中庸【中陽】を守っているからである。
初陰 初めから相手を知ろうとしてはならない、だんだんと相手を知り和合してゆくべきである。自分の尺度において理屈が通っていても、相手には通じていない。凶
64卦
周易 上経 30卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |